蝶の人
風の小学校のいちばん奥の教室で、彼女はみんなが来るのを待っている。理科室だったかな、実験台に座ってね。
お披露目したくてうずうずしているんだ。なにしろ、蝶の人になったのだから。カミになったと言ってもいい。その手は間違いなく、ハジチ(Japonesian Ryukyu tribal tattoo)をしているはずだよ。
南の果ての美事なカタブイの空を背に、生命力あふれる花や木々を彼女は見ている。見ているというより、そのなかにいるんだ。
「やんばるアートフェスティバル」に展示されている仲程長治の「黄金陰翳 クガニインエイ」のすごさは、簡単には言えない。
野生の精神史でいえば、これはイザイホーを終えた久高島の女性や、顔面付き釣り手形と呼ばれる土器の出土した、茅野の御殿場遺跡「第11,12号住居跡」と「同じ」だ。もっと言えば、人があの世へ行き、またこの世に戻ってくるという時の進みを、「蝶人になる」という心身の変容で思考したこころの位相を捉えている。
と、そんな風に、ぼくには響いた。
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