「トーテムとメタモルフォーゼ」第7回:ハジチ 霊魂のファッション
「トーテムとメタモルフォーゼ」の第7回、最終回は「ハジチ(Japonesian Ryukyu Tribal Tattoo)」がテーマ(野生会議99「トーテムとメタモルフォーゼ」)。
お披露目できるのは、まず、各島の紋様の意味をトーテムから明示すること。ハジチは植物トーテムの段階で発生しているから、それはトーテム植物と、その植物に密接にかかわる蝶を明らかにすることでもある。この探究の過程でもうひとつのことに気づいた。それは、各島のハジチ・デザインは位相を持つということだ。植物トーテムのどの段階でその島のハジチが発生したのか、そのデザインが語る。これは、ハジチのデザイン定着の位相と言っても同じだが、簡単には紋様を変えないとすれば、発生の記憶を宿していると見なしてもいい。
そして、そこで発生した祭儀を仮説する。ハジチの発生は、霊魂の発生段階に起きるが、その前に、「あの世」が発生していた。「霊魂」を考え出した人々は、「この世」と分離した「あの世」とをつなぐことを重視したのだ。
時間があれば、その先、霊魂の定着したサンゴ礁トーテムにも入っていきたい。そこで、ハジチだけではなく、人々が身に着けたものについても言及できる。
取り上げるのは、考古学で「蝶形骨器」と「獣形貝製品」と呼ばれているものだ。「蝶形骨器」は「蝶」だということが明らかにされているが、当日は蝶の種類もお伝えする。「獣形貝製品」についても、同じことをしたい。
ハジチの向こうにどんな自然や世界を見ていたのか。ハジチとともにどんな祭儀が生み出されたのか。ハジチ以外に、どんな装いをしたのか。ハジチは単独で存在していたのではないから、それらの世界の広がりのなかにハジチを浮かび上がらせることになる。
最終回は総集編的でもあるが、これまでの回を聞いてなくても、充分に楽しめると思うので、お時間の許す方は、大岡山までおいでくださると嬉しい。
【場所】タンディガタンディ(東京都大田区北千束1-52-6-2F./ 大岡山駅から徒歩2分)
【日時】第7回:11月30日(土)15:00~(今回はいつもよりはやい15時スタートです)
【参加費】1000円、懇親会:1000円
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