ミナミオカガニ段階の奄美大島住用・サモト遺跡
住用のサモト遺跡の遺構は、オカガニ段階に見える。出土している土器が、サンゴ礁トーテム土器(カヤウチバンタ式、宇宿上層式、面縄西洞式)であることも、このことに矛盾しない。土器は前段階であることは多々ある。
遺構のデータは詳細が不足しているので、北側にある「6号遺構」に注目してみる。
「6号遺構」は「隅丸長方形」で、「他の部分より皿状に低くなっている」。この掘り込みの薄さは、ここがカニ人へのメタモルフォーゼーゼ(スデル)場であることを示唆している。そして、これはカニを表現しているのではないだろうか。カニの姿勢を分かるように置き直してみる。
土器片は茶、円形の「明赤褐色の焼砂」は薄く色をつけた。囲いのなかにカニがいるのが見えるだろうか。番号を振ったのは左右の脚だ。眼柄が伸びているので、ミナミオカガニだと思える。サモト遺跡Ⅲ層は、ミナミオカガニ段階にある。
オカガニ段階では、海の岩礁が出現の母体になる。サモト遺跡の場合、それは近くの湖のような静けさの内海だ。「6号遺構」の囲いはこの内海を示している。
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