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2019/04/13

ウフタⅢ遺跡のベニワモンヤドカリ 2

 ベニワモンヤドカリ段階にあるウフタⅢ遺跡の貝を見てみる。「破片」はカウントされていないので、人数推定はあきらめて、貝のベニワモンヤドカリらしさを確かめる。

 宿貝は、シラナミ。ヤドカリ腹部では、チョウエンサザエ(2197)を除くと、イシダタミが多い(333)。イシダタミは層の膨らみが厚く、巻きがはっきりしている。赤や黄も混じる。それが、ベニワモンの黄と赤のストライプと似ているところだ。

 ヤドカリ鋏では、オハグロガイ(1158)。殻口の開き具合が、ベニワモン風だ。

 「胞衣」貝ではヒレジャコが多い。ヒレジャコは砂地にいる。ヒレが横の線を強調する。カニ腹部では、チョウセンサザの蓋(7098)を別にすれば、イソハマグリが多い(5442)。ベニワモンヤドカリの甲の白に対応している。笠利にはいないヤエヤマヒルギシジミ(8)があるのは、幼貝の段階で黄緑色になる、その色の類似が重視されたのだと考えられる。カニ鋏ではアマオブネが筆頭(2111)。殻口の黄と白が大事だったのではないだろうか。

 男性貝のマダライモ(52)は、よく分からないが、格子の並びがストライプ風なのかもしれない。また、「破片」がカウントされていれば、様相はまた違ってくると思える。

 チョウセンサザの蓋(7098)とヤコウガイの蓋(74)の違いからすると、をなり集団はアンチの上のように、集団を分割するには至っておらず、小さな他のをなり集団を抱えた状態だ。

 ベニワモンヤドカリ段階の貝は、報告が少ないので、詳細ではないものの、これは貴重なデータになる。(cf.「ウフタⅢ遺跡のベニワモンヤドカリ」

 

 

 

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