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2019/02/28

映画『洗骨』

 もう記憶が遠ざかり始めているが、照屋年之監督の映画は、洗骨が正面から取り上げられていて感銘を受けた。ラスト・シーンはそれをはっきりと示していて、余韻の映像が続くものと構えていただけに驚かされた。舞台の粟国島は、潮を三度かき分けるともう後生に着くと伝えられてきた島だから、洗骨を介した生死の往還を重くせずに思い出させてもくれた。

 ただ、21世紀の与論島で洗骨を経験したことからいえば、それは「風習」には違いなくても、そういうより単に「再会」だった。「変わり果てた姿」という感じもなく、姿を変えてはいるけれど、祖父と会ったという気がした。叔母が泣きながら声をかけて抱きついたので、その思いを強くしたのかもしれない。

 洗骨の際、骨を苧麻の葉で拭き取ることになっている島もあるから、洗骨は「あの世」の発生した植物トーテムの段階ではすでに行われていたのだと思える。

 そうだとすれば、「洗骨」が人間だけの世界を抜け出ていく作品を観たいと思う。波照間島で洗骨が、誕生祝いという意味で呼ばれたように、それは再生を促す行為でもあった。そこでは、死は死者になるというだけではなく、トーテム霊に還ることも意味している。トーテムの化身態としてある人の往還の結節に洗骨は考えられていたのだ。

 しかし、忘れられたと思える習俗もこうして作品として再生することがある。そこには大きな可能性のあることを感じさせてくれた作品だった。


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2019/02/26

「この世ならざるものをめぐるリレー・トーク」

 3月16日、東京大岡山でイベントに参加します。ご関心のある方はぜひ、お越しください。
 スペースに限りがあるので、ご一報いただけると嬉しいです。


谷川ゆに『「あの世」と「この世」のあいだ―たましいのふるさとを探して』(新潮社)刊行記念
この世ならざるものをめぐるリレー・トーク

谷川ゆに(古層作家)×姜信子(作家)×宮国優子(島作家)×喜山荘一(野生の琉球探究者

養老孟司をはじめ、刊行以来各紙で書評の寄せられている話題の書をめぐって、著者谷川ゆにの「この世ならざるもの」をめぐる旅に、作家や島人がそれぞれの観点で著者に切り込み、本の魅力を引き出します。

あの世とこの世の境界へ、言葉と身体の旅へ、いざ出発!

 「切実な思いが生んだ書物」(養老猛司、毎日新聞)
 「この世ならぬものに満ちた心ときめく世界への招待状」(早助よう子、図書新聞)
 「現代人の苦境に風穴開ける」(助川幸逸郎、産経新聞)

日時:3月16日(土)16:00~
参加費用:¥1000 (15人予約制)

18:00~ 
持ち寄り懇親会(参加費用¥1000)
場所:Tandy ga tandhi
住所:東京都大田区北千束1丁目52−6 すわらやビル2F(大岡山駅から徒歩3分)

Between


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