宮古島のシャコガイ段階
長墓遺跡は島尻にある。マングローブを南に辿ったところだ。
この7層は、キシノウエトカゲ段階にある。それは、約4200年前とされる年代値とも合っている。
貝の構成は、5層までトカゲ段階と見なせる。トカゲ貝は、「脚」、「胴」、「口」、「卵」で構成されるが、下田原貝塚、トゥグル浜貝塚を参照すると、「胴」、「口」、「卵」の順で比重が移っていく。長墓遺跡の7~5層は、5層で「口」の構成比が44%まで高まるが、それは4層には継続していない。
3層からは苧麻段階と見なせるので、4層はそのあいだにある。ここで得られている年代値は約3300年前だが、これは宮古諸島では「空白期」と呼ばれている。だが、「空白期」を埋めるという以上に重要なのは、4層のトーテム段階だ。
発掘トレンチの大きさは数メートル四方と小さく、得られている貝も豊富とは言えない。けれど4層はシャコガイ段階と見なせる。
優占する貝は、多良間添道と同じくイソハマグリである。これが重視されているのは、この「左殻」と、リュウキュウマスオかシレナシジミの「左殻」を持つ8人の女性に対して、シャコガイの「破片」が当てられていることに表れる。しかも、イソハマグリ女性に対して当てられるシャコガイはシラナミだ。
なかなか見つからないシャコガイ段階の痕跡がここにある。やっと見つけた。
面白いのは、トカゲ、シャコガイ、苧麻の段階を通じて、ヒザラガイが重視されていることで、これは宮古的だと思える。それは、針突きの「握り飯」や「箸」にも引き継がれている。
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