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2018/11/25

アンチの上貝塚の位相 18

 アンチの上小貝塚2は、ヤドカリの右鋏へのメタモルフォーゼの場だ。貝やその他の遺物から、そこでの思考を捉えてみる。

2

 女性19人と男性25人。シラナミはヤドカリの宿貝として女性11人に付与される。しかし、「破片」は、全員に割り当てられる。

 「胞衣」は、残りの女性8人に付与されている。アンチの上では、胞衣はカニが持つのだ。ただ、ヒレジャコの「破片」は女性全員に付与される。

 ヤドカリの腹部は、ニシキウズ科とサザエ科にわかれる。宿貝を付与された11人のうち、4人がニシキウズ科、7人がサザエ科。男性では、10人がニシキウズ科で3人がサザエ科になる。ただ、男性はすべて「破片」だ。これはイモガイ以外すべてに及ぶ。

 ヤドカリの鋏は、スイショウガイ科とアッキガイ科が、ニシキウズ腹部に対応し、オニコブシ科、オニノツノガイ科、イトマキボラ科がサザエ腹部に対応している。ただし、イトマキボラだけは両義的で、「破片」が女性ではカニ鋏だが、男性ではヤドカリのサザエ鋏になっている。

 タカラガイ科とホラガイ「破片」はカニ鋏だ。女性では、土器も鋏として当てられている。

 イモガイは男性。

 右鋏以外にも、宿貝、腹部のメタモルフォーゼの場では、ヤドカリの腹部は全体に及ばない。「左鋏」だけが、ヤドカリの腹部は全員に付与されている。左鋏はヤドカリのなかのヤドカリなのだ。

 ヤドカリへのメタモルフォーゼの場で、全体の半分弱をカニにして、強固に主張している。これは、をなり-えけりを軸にした母系社会継続への意志の現れだ。それにしても見事だ。

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