具志川島5B層の集骨
いまなら風葬と呼ぶ5B層の集骨。
これは苧麻トーテム段階で、あの世が発生した初期であることを示している。これらの骨も苧麻あるいは苧麻の化身態を表すはずだが、うまく視線をチューニングできなくて、まだ見えてこない。もしかしたら、長骨が茎を、下顎骨が葉を表現した苧麻植物そのものなのかもしれない。骨は壁際に乱雑に置かれていると報告されているが、そうなのではない。まず、個体別に置かれていないのは、この段階では、集団の「わたしたち」は一体だからである。
乱雑に置かれているわけではないのを、よく示すポイントがある。
ヤセイモとおぼしいとされている貝製品には、目を惹きつけられる。
これはハジチの右手首の五つ星、つまり、霊魂としての「蝶」とよく似ているのだ。
ここに貝製品に添わせるように置かれた骨の部位を参照させる。
いちばん近いのは、女性右手の尺骨なのだ。ハジチで蝶が描かれるのは、右手尺骨頭部に他ならない。この骨製品は、女性の尺骨を意識してそばに置かれているのである。
この骨と貝製品は、苧麻段階でハジチが発生したというぼくたちの考えを補強して余りある。
貝製品のそばの他の骨をみれば、尺骨は女性骨で、橈骨は男性骨なのかもしれない。また、膝頭(チンシ)の骨も霊魂の部位とみなされたと思える。
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