喜界島崩リ遺跡の遺構2
崩リ遺跡には次の段階の遺構も残されている。それは、「竪穴状遺構」と同じ場所にある。
「土坑」と呼ばれる遺構は、「竪穴状遺構」の近くに、小さめに展開されている。「竪穴状遺構」が干瀬だとすれば、これは干瀬にできる水溜まりのような窪みで、ヤトゥと呼ばれている場だと思える。
生命があふれる場をはじめ干瀬に見出す。サンゴ礁の発達は、次に、干瀬の窪みを見出させることになった。潮が引けば、ここには残された魚や貝がいることになる。そこに生命の源泉を見たのだ。
しかし、「土坑」ばかりではない。同時期には、もうひとつ「溝状遺構」と呼ばれるものも検出されている。
これは、バリ、クチなどと呼ばれる、干瀬の割れ目で、縁溝を指すと思える。クチは、寄り物の寄ってくる重要な場だ。クチをつたって生命はやってくる。ヤトゥと同時に、島人はそこに生命の源泉を見出した。
サンゴ礁トーテムは、場そのものがトーテムとなっているが、それは「あの世」=「トーテム」を意味している。そして、この世は、あの世の写しであることが遺構に示されている。これは後段になれば、あの世はこの世そっくりと変形されて言われることになる。
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