具志川島岩立遺跡西区人骨の位相
まず、12層で出現するチョウセンサザエの蓋収集を見てみる。チョウセンサザエの殻は、破片で散らばっている。
蓋は、焼けていない白色と褐色に焼けているもの、黒-灰色に焼けたものに分かれている。
これは苧麻トーテム段階で、色のついたものが取れると、白い色になる貝が苧麻の化身態と捉えられたのと位相同型をなすと思える。たとえば、シレナシジミ、ソメワケグリ、イソハマグリだ。
これを踏まえて人骨の出土した5B層を見たい。
この人骨と近くのチョウセンサザエの蓋は焼かれていない。
代わりに、集骨の両端に、焼け具合いが違って見える焼土がある。
これは、12層のチョウセンサザエの蓋の焼けの段階化と同じことが考えられている。苧麻、ということだ。
このうえで、近くの岩立遺跡の人骨を見てみる。
(片桐千亜紀、小橋川剛、島袋利恵子他「具志川島岩立遺跡出土人骨の再整理--焼けた骨の存在から見た葬法に焦点をあてて」「沖縄埋文研究紀要 」2007年)
ここで「乾燥骨」は白い。「焼骨」は黒や黒褐色。「火葬骨」は灰白色に見える。人骨は、解剖学的位置を保たず、また乾燥、焼骨、下層骨に、性別や年代による際立った差異は見られない。
これも西区の貝や人骨の出た5B層と同じ思考だと思える。
トーテムが苧麻であることを示しているのだ。
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