「沖永良部島のゴホウラ貝輪未製品資料」(新里貴之)
沖永良部島の西原海岸で貝輪につながるゴホウラが採集されている。
「外唇部や結節部をほとんど残した状態で、ほぼ全面に研磨加工を施すという状況は珍しい」として、新里は「ここまで手間をかけて加工し、かつ十分に背面貝輪になり得るものを廃棄するとは考えにくい」としている。
こういう研磨状態のものもあるなら、なおのことこれは女性の分身を指しているのだと思う。女性シャーマンのなかでも長の地位にあった人のものなのかもしれない。
奄美でのゴホウラの「完形品」は、「現在のところ墓出土のものに限定されている」。トーテムと人自身の中間にこの貝はあるということだ。
三宅宗悦は、喜念原始墓の数十点の貝輪のなかから、その一点がゴホウラではないかと見抜いた。これがゴホウラの貝輪に気づかれた嚆矢となる。この前に、三宅は奄美大島で針突きの模写をしているはずだが、三宅は島をまたいで形を変えて”同じ”ものを見ていたのだ。
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