サキタリ洞FS層のトーテム思考
サキタリ洞のFS層。約11000~3000年前とされている。
他の蛇段階の貝類を当ててみても、ハブ段階(前1期)の貝類から逸脱していない。約10000年前はハブと見なしてよいかもしれない。
ここでは、ハイガイをどう見るかにかかっている。貝殻は、下田原の外耳土器を思わせる。下田原土器がトカゲの口であるように、これは蛇の口と見なされたということではないだろうか。(cf.ハイガイ)
ハイガイは、ヘモグロビンの体液を持ち、開けば、蛇が口を開けているのと似ている。殻の形は蛇が獲物を飲み込んでいるときの形にも似ている。食べる、つまり、獲物が蛇にメタモルフォーゼしているときの姿だ。
食べる-食べられる関係におけるメタモルフォーゼの思考が育まれている段階なのではないだろうか。
ハイガイは、約1万年前の藪地洞穴でも優占している。かつ、ハイガイ、マガキが優占することは、縄文前期のヤマトとも類似している(黒住耐二「旧石器時代から縄文時代初期の貝類利用」)。
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