宇佐浜B遺跡の貝類
やっとツノメガニ段階の貝類に出会うことができた。国頭の宇佐浜B遺跡だ。B遺跡は海岸砂丘に位置しており、立地も問題ない。
オオベッコウガサが1位になるのは、阿波連貝塚Ⅶ層と共通する。ツノメガニ段階の貴重な例だ。
小さな二枚貝はリュウキュウマスオ(1)、ベニエガイ(1)などがあるが、少ない。カニの腹部は、鍋蓋族や蓋族で表現されている。
2層上部からは、「方形状の石組み遺構」(住居址の可能性が指摘されている)の中心にアンボンクロザメの集積遺構が検出されている。6~7段に積み上げられたアンボンクロザメは計43点あり、その底に1点のゴホウラが据え置かれている。「住居址内の床面を掘り窪めてアンボンクロザメガイを埋納したことが考えられる」。貝は加工を施されていない。中身の入った状態で埋められたと考えられている。
上記のアンボンクロザメは、殻頂径6cm、殻長9cmで、アンボンクロザメとしてはそれほど大型ではないと指摘されている。アンボンクロザメとゴホウラは、セットでツノメガニを意味している。
黒住耐二は、集積遺構は、少なくとも45個体以上あると指摘している。アンボンクロザメが41、クロフモドキが4。水磨を受けた大型のクロフモドキが2個体あり、「他の集貝とは異質な感じを与え、集積されていた時にも配慮していた可能性も考えられる」としている。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント