宇佐浜B貝塚の「ヤコウガイ製匙(未製品)」
宇佐浜B貝塚からは、「ヤコウガイ製匙(未製品)」が出土している。平均9.1~11.5cmの「略長方形」で深さはそれほどない。研磨はない。下図のいちばん上の小さなものだけが研磨を施されているが、どの層からのものかは報告書に記載がない。「柄の部分の破片」と見なされている。
これらは3層から1層にかけて出土している(1層:18、2層:3、3層:1)。ぼくたちは3層をオウギガニ段階とみなしているから、それを起点に考えてみる。ヤコウガイは、蓋が女性性、殻が男性性と捉えられるはずだが、この場合、殻を割っている。また、その形状は鋏には見えない。むしろ、蟹の腹節に見える。
すると、殻の匙状の形態は胞衣ではないかという想定に導かれる。
シヌグ堂、清水貝塚からも同種のものは出土しているというから、近いうちに確かめてみたい。
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