久米島大原貝塚A地点のゴホウラ
久米島の大原貝塚A地点の貝類。Ⅰ~Ⅲ層で大きな構成の変化は見られないので、シンボリックなⅡ層を取り上げる。
ベニシリダカに象徴されるように、これはツノメガニ段階の貝類だ。土器は、宇佐浜式、仲原式とあるが、トーテムはオカガニの段階(仲原式)を過ぎていると思える。
木下尚子は、出土したゴホウラの貝溜まりについて、「明らかに腕輪(貝輪)の素材である」としている。「こうした粗加工品の集積は本例をおいてみられない」。
木下が挙げているゴホウラをみると、背面の穴は刺青の甲の印に見える。割り取られた腹面は、ツノメガニ、スナガニの根の部分が少し離れた爪を指している。
そうだとすればこの貝溜まりは、オウギガニ段階のアンチの上貝塚の貝溜まりと同じ意味を持つと思える。
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