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2018/06/16

蛙から蝶への化身

 西表島の「井戸ヌパタヌ子蛙誦言」でいちばんよく分からないのは、蛙が蝶に化身するということだ。

 井戸ヌパタヌ アブダーマ
 パニバムイ トゥブケー
 バガケラヌ生命(イヌチイ) 島トゥトゥミ アラショウリ

 しかし、これはどうやら、どちらもシャコガイ・トーテムの化身態ということではないだろうか。

Photo

 蛙は、「井戸のそば」にいる。井戸とあるが、これは井泉のことだ。つまり、水源にいる。水源にいる生き物が注視されたのは、境界点の発生を担ったシャコガイ・トーテムの段階だ。

 貝では、カワニナなどが化身態と見なされるように動物では、蛙がそうだと考えられた。シャコガイの二枚の殻と口の開閉は、翅を閉じたり開いたりする蝶に似ている。蝶もまたシャコガイの化身態だった。

 他の節では、シレナシジミがシャコガイに化身するように、海の生き物へと化す。この節だけが蝶、なのだ。これはよく分からないが、空は海とは本質的に区別されていなくて、陸→海と陸→空は同等に捉えられていたということではないだろうか。

 重要なのは、蝶が霊魂の形姿と見なされる前に、人間と蝶のつながりも見出されていたということだ。人間と蝶は、シャコガイの化身態として同じ位相にあったのだ。

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