新原貝塚の貝類
沖縄島南部の新原貝塚の貝類を見てみる。
優先する貝でいえば、マガキガイからイソハマグリへの交替として言うことができる。ふたつともヤドカリ段階を想定させる。
サラサバテイラとヒメジャコに注目してみれば、7、8層ではサラサバテイラが多いが、5、6層では逆転する。これが端的に示すのは、7、8層がコモンヤドカリ段階であるのに対して、5、6層はムラサキオカヤドカリ段階ではないかということだ。
男性性の強いマガキガイがコモンヤドカリ段階で1位で、女性性の強いイソハマグリがムラサキオカヤドカリ段階で1位になる理由はよく分からないが、大事なことを示唆しているに違いない。チョウセンサザエの蓋が、チョウセンサザエを継続して上回っていることも同様だ。
あるいは、ムラサキオカヤドカリ段階でのイソハマグリは稲作の開始を示唆しているのかもしれない。
土器編年では、7、8層は大当原期、6層がアカジャンガー、5層がアカジャンガーからフェンサ下層式とされている。しかし、貝類が示すのは、すでに次の段階へ移行しているということだ。オウギガニ段階で優占するクモガイは、4つの層とも10個体もない。
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