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2018/06/21

平安山原B・C遺跡の位相 9

 平安山原遺跡について、Ⅲ群の上下をふたたび見てみる。

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 下層は、シラナミが1位、クモガイ、チョウセンサザエ、カワラガイが上位にある点で、オウギガニ段階と判断できるが、Ⅲ群上と比べると貝の構成が近く、判断がしにくい。扇形のシラナミが1位にある点がオウギガニ段階を象徴しているとは言える。

 また、オウギガニ段階がはっきりしている①と、棲息地や貝の属性が連続的である点もオウギガニ段階を示している。

 ただ、Ⅲ群下層がコモンヤドカリへの移行を強く示唆するのは「礁斜面」においてだ。他の層に比べて多いサラサバテイラ、ヤコウガイ、クロチョウガイ、サラサミナシは、棲息地と大きさによってコモンヤドカリ段階へ移行を示す。

 上層は、イソハマグリが1位にあり、平安山原遺跡のコモンヤドカリ段階の特徴を持つので、その段階の層だと言える。

 しかし、すっきりしないのは、アラスジケマン、クモガイ、カワラガイ、ホソスジイナミ等、どちらかといえばオウギガニ段階を示す貝類が依然として優先していることだ。

 土器は一部アカジャンガー式を含み、その点からもコモンヤドカリ段階にあると言えるが、Ⅲ群は上下層ともに、オウギガニとコモンヤドカリのどちらの要素も見られる。これは、移行への葛藤を示すのではないだろうか。

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 判断に揺れてきたが、Ⅲ群は上下とも、コモンヤドカリ層への移行を示している。下層はオウギガニ色が強いが、コモンヤドカリの出現を印象づける。上層は、コモンヤドカリ化しているが、なおオウギガニ段階色を強く残す。移行の葛藤が示されている。


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