ナガラ原東貝塚Ⅴ、Ⅳ、Ⅲ層の貝類
伊江島ナガラ原貝塚のⅢ、Ⅳ層はアカジャンガー式、Ⅴ層は大当原期だとされている。
Ⅲ層:6世紀後半~7世紀初頭
Ⅳ層:5世紀~6世紀中ごろのうち、6世紀中ごろを含む時期
Ⅴ層:5世紀~6世紀中ごろのうち、5世紀から6世紀前半を含む時期(黒住耐二「ナガラ原貝塚の貝類遺体」)
ぼくたちは貝類から、段階の位相を探ることになる。
棲息地からいえば、Ⅴ層では、礁斜面(4)と陸産(Ⅴ)の構成比の高さにオウギガニからコモン・ヤドカリへの移行が示唆されているように見える。
Ⅳ層でも礁斜面(4)の構成比は高い。また、シャコガイ、マガキガイも高い。Ⅲ層では、シャコガイがマガキガイを上回るようになっている。
個別の貝類で見ていくと、礁斜面と陸産を高めているのは、サラサバテイラとオキナワヤマタニシ、オイナワウスカワマイマイであることが分かる。どちらもコモン・ヤドカリの出現を暗示している。リュキュウヒバリとミドリアオリは、オウギガニ段階から継続しているものかもしれないが、コモン・ヤドカリの化身貝と見なしてよさそうだ。
Ⅳ層になると、シラナミ、マガキガイ、サラサバテイラの三つ巴が目に付く。Ⅲ層のサンプルは少ないが、シラナミに次いでヒメジャコが上位にあがっている。これは、青の隆盛、つまり、ムラサキオカヤドカリへの移行を示すものだと考えられる。
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