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2018/05/13

平安山原B・C遺跡の位相 4

 イソハマグリが、ヤドカリ期の絶対的な指標ではないと分かったので、平安山原遺跡の貝類を再考する。

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 ①、②の河口干潟-マングローブ域の構成比が高い(Ⅲ)のは、干潟のオウギガニがトーテムであることを示唆するものだと思える。一方、Ⅱ群の陸産(Ⅴ)、Ⅲ群上部の礁斜面(4)の構成比の高さは、コモンヤドカリを示唆している。

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 上位の貝を見ると、Ⅱ群が明瞭にヤドカリ期を示すのはイソハマグリと陸産の貝だということになる。Ⅲ群の上下でいえば、上部はサラサバテイラが、クモガイを上回るところにコモンヤドカリの出現を見ることができるかもしれない。同様のことを言えば、下部も同じだということになる。

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 「赤」に対する志向性からいえば、ニシキウズ、オキニシ、ギンタカハマ、ニシキアマオブネがⅡ群にかけて上昇する。このうち、オウギガニ段階と段差を示すのは、ニシキアマオブネだ。ニシキアマオブネは、コモンヤドカリ期を示す重要な指標になるのかもしれない。

 オウギガニ段階と段差を示すもので重要なのは、礁斜面の太陽貝であるクロチョウガイ、シマベッコウバイ、テツレイシ、ウラキツキガイになる。イモガイ類もヤドカリ期に入って多くなっている。

 ホシダカラは、オウギガイ期に多く、ハナマルユキ、ハナビラダカラはヤドカリ期に増える傾向にある。クモガイは、ヤドカリ期に構成を落とす。これは、オウギガニ→コモンヤドカリ→ムラサキオカヤドカリで段階的に減少すると考えられる。

 カンギクは、ヤドカリ期に増えてる。これは宿貝に由来するものだ。鋏でいえば、オオミノムシはオウギガニの鋏との類似は捉えられても、ヤドカリとの類似は捉えられていない。

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 こうした指標になる貝を捉えていくと、以前の推定は間違いで、Ⅲ群上部はアカジャンガー期だが、Ⅲ群の下部もアカジャンガー期と見なしてよい気がする。土器名と矛盾するという意味からは、コモンヤドカリ期と言ってもいい。少なくともその移行期に入っている。貝は土器に先行するのだ。


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