西長浜原遺跡の貝類
西長浜原遺跡は、前4期末から前5期前半の遺跡だとされている。
もっとも個体数の多かったP地区についてみると、前5期の様相を呈していると思える。この遺跡でみる限り、前5期のトーテム貝は、チョウセンサザエということになる。干瀬への関心の高さが窺えるが、イノーではマガキガイよりはクモガイが優占だ。
黒住耐二は、S地区下層では、チョウセンサザエが1割程度にいなり、アラスジケマンの方が多く、リュウキュウウミニナが6%になっている指摘している(「西長浜原遺跡の貝類遺体」)。リュウキュウウミニナは、苧麻貝と考えられるが、アラスジケマンも苧麻貝とみなしてよさそうだ。
シレナシジミもそうだとみなしていいだろうか。
前5期のトーテム貝は、干瀬、イノー、浜辺と優先されるとしたら、アラスジケマンやシレナシジミの構成はそれを表しているのかもしれない。オキナワヤマタニシが出土していないことからすれば、なおさらそうだと思える。
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