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2018/04/12

新城下原第二遺跡のトーテム段階 2

 Ⅴ層と川跡について、こんどは貝の増減にフォーカスしてみる。それは、阿波連浦下層式の段階から浜屋原式段階への変化を示唆するはずである。

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(上表:増えた貝、下表:減った貝 『新城下原第二遺跡』から作成)

 増えた貝の系譜の代表的なものは、アラスジケマンやヒメジャコなどのシャコガイだ。シオマネキの腹部は、放射肋のような隆起が発達しているわけではない。だから、これは単純なカニとの類似とは別の思考が被さっていると思える。それは、シャコガイがもともとはトカゲ貝であり、カニ・トーテム段階のシャコガイが、トカゲと貝の融合としてのカニを意味することに依ると思える。

 また、ここで蓋も重視されている。蓋はサンゴであり貝なのだ。それは前5期の思考を受け継ぐものだが、これはシャコガイの浮上と同期しているのには意味があるように見える。胞衣という貝(サンゴ礁)の産物としての貝という意味だ。別に言えば、シオマネキ段階は、貝と腹部との類似に意味が付加されていく過程だともいえる。

 鋏は、シオマネキの長いそれに合わせて、やはり長い貝が重視されている。

 オキニシとガンゼキボラは、新しい傾向と言えるだろうか。この尖りや棘を持つ貝殻は、カニ類の脚部分であり、いわばカニ自身の貝への化身が思考されているものだと思える。そういう見立てを島人はここで行っている。

 上記のことは減った貝にも顕著に現れていて、腹節そのものとの類似の見られる貝が主にあがっている。言い換えればこれは、阿波連浦下層式の段階のスナガニ・トーテムでは、腹節との類似がもっとも重視されていたことを示唆する。新城下原第二遺跡の場合、スナガニ・トーテムを象徴していたのは、タママキガイだった。

 鋏は、増加しているものもあれば、減ったものもある。これは、ハナビラダカラやヒメオリイレムシロに象徴的なように、スナガニの丸っこい鋏と形が似た貝が減っているのだ。

 しかし、両者のちがいをもっとも示すのは貝の棲息地だ。Ⅴ層では、10%に満たないマングローブ・干潟の貝が、川跡では40%以上を占めるようになる。これも、シオマネキ・トーテムを強く示唆している。

 


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