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2018/03/26

伊是名島貝ブロックの貝類

 暫定的に前4期から前5期と編年されている伊是名貝塚の貝類を見てみる。

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(表6-5-1「沖縄県伊是名島伊是名貝塚の1号貝ブロックからの出土貝類遺存体出土状況」『伊是名貝塚 沖縄県伊是名貝塚の調査と研究』(沖縄県伊是名村伊是名貝塚学術調査)から作成)

 この「1号貝土坑」から出土した貝類は、なんとオキナワヤマタニシとオキナワウスカワマイマイだけで6割を占めている。この貝ブロックに限っていえば、これは前4期を多く含むと思える。ふたつとも苧麻貝である。

 注目されるのは、イソハマグリが次に構成比の高いことだ。オキナワヤマタニシとオキナワウスカワマイマイに続くのであれば、これも苧麻貝ではないだろうか。そうだとすれば、イソハマグリの白い貝殻に浮かぶ細い曲線が、苧麻の繊維に似ているとみなされたのかもしれない。

 それに、イソハマグリの貝殻にしばしば藻だろうか、緑色が付着している。それを洗い落とすと、美しい曲線の入った白い貝殻で出てくる。これは、苧麻の茎を割いて繊維を取り出す工程と似ている。


 


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