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2018/03/25

波照間島のトーテム段階

 下田原貝塚と大泊浜貝塚という隣り合わせの違う段階の貝類から、波照間島の化身貝を類推してみる。

Photo_2
(『下田原貝塚・大泊浜貝塚 第1・2・3次発掘調査報告』(沖縄県文化財調査報告書 第74集)から作成)

 出土数のランキングでいえば、

 トカゲ:シャコガイ
 貝:シレナシジミ
 カニ:サラサバテイ
 ヤドカリ:マガキガイ

 カニ段階以降は、これはそのままトーテムの化身貝とは見なせない。前5期に「サンゴ礁」をトーテムとして以降、様相は複雑になる。

 前5期:浜と干瀬の貝
 後1期:浜、干瀬、イノー
 後2期:浜、干瀬、イノー(これまでの印象では、後2期になるとイノーの比重は高まる)

 だから、カニ段階のなかには、この前5期以降の傾向を捉える必要がある。前5期以降の流れを汲むのは、シラナミ、マガキガイ、サラサバテイだと思える。

 ヤドカリ段階でもその構成は基本的に変わらないが、シラナミが増えるのと、ヒメジャコ、シャゴウも構成比を高める。

 これらの要素を取り除いて、トーテムの化身貝を見極めると、

 トカゲ:シャコガイ
 貝:シレナシジミ
 浜と干瀬:マガキガイ、サラサバテイ
 カニ:シレナシジミ
 ヤドカリ:オニノツノガイ

 これらが確認できる。


 


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