波照間島のトーテム段階
下田原貝塚と大泊浜貝塚という隣り合わせの違う段階の貝類から、波照間島の化身貝を類推してみる。
(『下田原貝塚・大泊浜貝塚 第1・2・3次発掘調査報告』(沖縄県文化財調査報告書 第74集)から作成)
出土数のランキングでいえば、
トカゲ:シャコガイ
貝:シレナシジミ
カニ:サラサバテイ
ヤドカリ:マガキガイ
カニ段階以降は、これはそのままトーテムの化身貝とは見なせない。前5期に「サンゴ礁」をトーテムとして以降、様相は複雑になる。
前5期:浜と干瀬の貝
後1期:浜、干瀬、イノー
後2期:浜、干瀬、イノー(これまでの印象では、後2期になるとイノーの比重は高まる)
だから、カニ段階のなかには、この前5期以降の傾向を捉える必要がある。前5期以降の流れを汲むのは、シラナミ、マガキガイ、サラサバテイだと思える。
ヤドカリ段階でもその構成は基本的に変わらないが、シラナミが増えるのと、ヒメジャコ、シャゴウも構成比を高める。
これらの要素を取り除いて、トーテムの化身貝を見極めると、
トカゲ:シャコガイ
貝:シレナシジミ
浜と干瀬:マガキガイ、サラサバテイ
カニ:シレナシジミ
ヤドカリ:オニノツノガイ
これらが確認できる。
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