地下他界の根拠
黒島の「さしぬ蟹アユ」。
さしぬ蟹にん 砂中に棲む蟹のように
ぶんぴかな 家の分格を引き下げないように
大母屋主(うふやぬし) 大母屋主にきた嫁女は
ニーぬ蟹にん 土中に棲む蟹のごとく
だいぴかな 家の土台を引き下げないように
根母屋主(にーぶやぬし) 根母屋主の主婦となった花嫁よ
歌詞のなかで、ミナミスナガニ、ツノメガニ、オカガニと、トーテム蟹たちが登場するのが楽しい。
ことにオカガニを「ニーヌガン」と呼ぶのは意味深い。原始農耕の痕跡はなかなか見つからない琉球弧だが、地下他界は発生している。
地下他界が発生する根拠が分からなかったが、蟹をトーテムとすることのなかで、それは掴まれたのかもしれない。
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