集石遺構と陸産貝類
住居址の集石遺構を挙げてみる。
1.伊是名貝塚 前4期 構成礫は、チャート、砂岩、石灰岩の角礫
2.吹出原遺跡 前5期 調査者は竪穴住居址と想定
3.ヌバタキ遺跡 前5期 構成礫は、石灰岩角礫
(安座間充「縄貝塚時代集石遺構集成」「沖縄埋文研究 : 紀要」)
1の伊是名貝塚では、土坑の上層で、オキナワヤマタニシの割合が極端に高くなっている。
貝塚時代中期の知場塚原遺跡では、住居跡内貝層の上部に陸産貝類が多いことが分かっている(黒住耐二「伊是名貝塚の貝類分析」)。
ということは、オキナワヤマタニシは、陸の貝トーテムとして選ばれているということだ。住居は、拡張された死者だから、死者同様にあの世へ送ったということだ。
伊是名貝塚の場合、土坑の下層は貝で、上層がオキナワヤマタニシだということは、他界に山が加わったことを意味するのではないだろうか。
これは、サンゴ礁がトーテムとなった前5期の思考の産物だと思える。
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