「貝類遺体からみた遺跡の立地環境と生活」(黒住耐二)
ほんの一部だけ着目するが、黒住耐二は、マツノト遺跡とナガラ原東遺跡では、遺跡周辺には現在生息していないシレナシジミが複数個体確認されていると指摘している(「貝類遺体からみた遺跡の立地環境と生活」)。
もっとも近いシレナシジミの生息域は、奄美大島では住用川河口、伊江島では本部半島。伊江島では対岸の本部半島にわたって、奄美大島では調節採集も考えられるが、他の河口干潟の貝類が全く確認されてなから、貝殻だけ持ち込んだ可能性も考えられる。
琉球列島では、他にもシレナシジミが生息していない島の遺跡からの出土が確認されている(たとえば津堅島)。
シャコガイに化身すると考えられたシレナシジミも、トーテム化していたわけだ。
マツノト遺跡は、後1期に属する。つまり、シレナシジミのトーテム化は、ベニシオマネキがトーテムだった段階に対応するのではないだろうか。
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