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2018/02/19

「伊是名貝塚の貝類分析」(黒住耐二)

 伊是名貝塚は、前4~5期に属すると考えられる。

 オキナワヤマタニシとオキナワウスカワマイマイの2種が優占。黒住は、「食用ではなかった」と考えている。

 イソハマグリ 1200個体
 マガキガイ 350
 アマオブネ 200
 チョウセンサザエ 120

 食料としての貝の選択性が高い。

 潮間帯岩礁域では、イソハマグリが極端に多い。似た貝は採られず、選択性が高い。アマオブネ、ニシキアマオブネも多い。アマオブネ類はオカヤドカリの宿貝が多いが、食用として選択性が高い。

 アマオブネは肉は食べず、ニシキアマオブネは食べるという利用形態が考えられる。ニシキアマオブネは2/3がオカヤドカリの宿貝。これは、この段階で伊是名では、ヤドカリがトーテムになっていたことを意味するだろうか。

 それとも、アマオブネ-海、ニシキアマオブネ-陸とみなして、アマオブネを食べたということだろうか。

 リュウキュウヒバリやカサガイは著しく少ない。これは、ヤドカリ・トーテムになっていないことを示している。

 イノーはマガキガイ。沖縄で出土の多いシャコガイ科はシラナミとヒレジャコのみ。

 チョウセンサザエが多い。チョウセンサザエはわざわざ殻が割られている。

 イソハマグリとチョウセンサザエが多いのは、貝=サンゴ礁(前5期)の段階を示唆するように思える。

 貝類の資源量が内湾やマングローブのほうが多いかもしれない。黒住はここで面白いことを書いている。

 つまり、沖縄の貝塚時代の人々は、意図的に資源量が少ないかも知れないサンゴ礁域に固執して遺跡を立地させていたと言えよう。

 これはとりもなおさず、立地やあり方をトーテムに似せるためだと考えられる。

 オキナワヤマタニシが食用ではないのは、これが苧麻に相当する貝と考えられていたからだと思える。苧麻は食べないからだ。

 

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