面縄貝塚の段階 3
こんどは段階を問わず遺構をマップして、貝塚名と対応させてみる。
こうしてみると、洞窟を拠点に裾野を広げるように活動が展開していったのが分かる。
ここで問うてみたいのは、主に埋葬地として知られる第1貝塚や、人骨も出土した第3貝塚における他界がどこであるかということだ。
残念ながら、面縄の前面には、地先の島や立神といった、いかにもな「あの世」らし地形はない。しかし、イノーは短いとはいえ干瀬の発達したサンゴ礁は広がっている。
思い出されるのは、徳之島の骨神信仰。とくに頭蓋骨に霊魂が宿るという思考の発達だ。この霊魂思考の強度からいえば、あの世は、この段階で地下あるいは海底へとベクトルを向けていたのではなだいろうか。
第1貝塚の「石棺墓からは保存良好な仰臥伸展葬の人骨1体が出土」している(竹中正巳「徳之島面縄第1貝塚から出土した人骨」『面縄貝塚総括報告書』)。これは、貝塚時代後期の人骨で壮年の女性と見なされている。また、「仲原式後続土器が石棺墓埋葬人骨への供献品として出土」している。
他に、「仰臥屈葬」の単体埋葬が二体、頭蓋が一体、出土している。こちらは副葬品は遺存していない。
石棺募に入っていたのはシャーマン系の人物ではないだろうか。それで古式である仰臥伸展葬を行った。ふつうの島人は、仰臥屈葬であるなら、これは地下の他界と対応している。
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