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2018/02/15

「貝類遺体からみた遺跡の立地環境と生活」(黒住耐二) 2

 マツノト遺跡。

 ヤコウガイが多いが、シラナミも比較的多い。
 非白砂の上層:マダライモ、リュウキュウヒバリ(外洋-サンゴ礁側潮間帯)、マガキガイ
 白砂下部:ハナマルユキ、シラクモガイ等の干瀬のもの、礁斜面のヤコウガイやサラサバテイラ
 別の白砂層:干瀬のツタノハ(同じサイズの岸川潮間帯に生息するコウダカカラマツは1個体も得られていない)

 巨視的にみれば、白砂層では干瀬の礁斜面の中・大形貝類を中心に、上部の層ではマダライモやリュウキュウヒバリ等の岸側潮間帯の小形種を主に利用している。

 上部の包含層:アマオブネ、マダライモ等のイモガイ類、リュウキュウヒバリが欠ける。

 マツノト遺跡近く、同時期の安良川遺跡。岸側潮間帯のアマオブネ、コウダカカラマツ、リュウキュウヒバリ優占。イノー内のマガキガイ、ハナマルユキも多い。

 岸側潮間帯の小型貝類が多い。

 沖縄の後期では、マガキガイ、チョウセンサザエ、サラサバテイラ等が優占。中城湾に面した平敷屋トウバル遺跡では、イソハマグリと河口干潟のアラスジケマンという二枚貝が優占。イノーの発達した具志堅貝塚でもイソハマグリ優占。

 ぼくたちが探りたいのは、後期のトーテム、蟹、ヤドカリに対応する貝は何かということだ。
 上記の貝たちを振るいにかけると、

 ミナミオカガニ:
 ミナミスナガニ、ツノメガニ:マダライモ、マガキガイ、アマオブネ、イソハマグリ
 ベニシオマネキ:アラスジケマン
 オウギガニ:ハナマルユキ、シラクモガイ、ヤコウガイ、サラサバテイラ

 ヤドカリ:リュウキュウヒバリ、コウダカカラマツ、ツタノハ

 ミナミオカガニへの対応が分からないが、上記の貝を確かめていくことになる。


 

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