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2018/01/28

「神話・伝説・歴史」(コルネリウス・アウエハント)

 波照間島の「双葉世(フタバユ)」の意味は分からない。「アバーミとアラマリィヌパ」の神話で、「油の豪雨(アバーミ)」が降るのは、トカゲ・トーテムの終わりを示している。

 生き残ったのは、兄妹で洞窟から現れる。最初の子はボージィ(毒のある魚)になり、次の子は海ムカデになる。両者ともに直接トーテムを示さず、「海水で洗うと」なったとされている。海の元の姿になったということだ。このことは、この神話が、サンゴ礁が胞衣空間と思考されて後に改変を受けたことを意味しているが、ボージィにしても海ムカデにしても、蛇、トカゲの系譜からは逸れていて忌避されている印象がやってくる。

 そして三度目で人間の子を産む。アウエハントは、「出産の石」のあった場所には、「火の神」と香炉が置かれ、聖なるミシクゲーから「ギーラの貝」で汲んだ水を供える、と現在の祭事を添えている。

 この神話は、トカゲ世の終わりと貝世の始まりを告げたものだ。つまり、波照間島では、貝世の始まりが神話に刻印されている。

 島の南東の海岸部では、イシカヌブヤという夫婦神が上陸した伝承がある。イシカ祖先神yは、「一匹のカニ」から最初の菜の種子をもらったと言われる。また、「苧麻(ブー)」もイシカヌパが持ってきたものと考えられている。

 つまり、イシカヌブヤは、蟹トーテムの到来を伝えるものだ。
 
 

『HATERUMA―波照間:南琉球の島嶼文化における社会=宗教的諸相』

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