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2018/01/16

無土器期の石斧と蟹

 『石垣市史考古ビジュアル版第2巻』(石垣市総務部市史編集課編、2008)から、無土器期の石斧の特徴をタイプと特徴を抽出してみる。

 1.短冊形で、両側面に平面があり、片切刃を持つ。とても肉厚で鋭い刀部を持つ。
 2.両側面に平面があり、片切刃を持つ。扁平な方形片刃で、とても鋭い刀部を持つ。
 3.両側面に平面があり、片切刃を持ち、蛤刃を持つ。類例が少ない。
 4.断面形状が半円に近く、片切刃を持つ。丸ノミ状石斧。刀縁が放物線状に尖る。
 5.断面形状が薄い半円に近く、片切刃を持つ。4が薄くなったもので、くちばしのような形。

 トーテムの段階からいえば、これは蟹の鋏を表現していると思える。

 トーテムとして想定した蟹(カニ)たちは、

 ・ミナミオカガニ 参考:「カニ類 オカガニ科 ミナミオカガニ」
 ・ツノメガニ 参考:「ツノメガニ」
 ・ベニシオマネキ 参考:「6/30 今日の木道:シオマネキの仲間とか」
 ・オウギガニ 参考:「カノコオウギガニ」

 これを、類例が少ないとされる3を除いたものに該当させてみる。

 ミナミオカガニ:2.、「扁平な方形片刃」と「鋭い刀部」
 ツノメガニ:4、「断面形状が半円に近い」「刀縁が放物線状に尖る」
 ベニシオマネキ:1、「短冊形」「両側面に平面」「とても肉厚で鋭い刀部」
 オウギガニ5、「断面形状が薄い半円」「くちばしのような形」

 南琉球弧は、土器は途切れても、斧には変わらずトーテムを表現してきたと思える。南琉球弧は、「斧」で編年を組めばいいのではないだろうか。

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