無土器期の石斧と蟹 2
もう少し無土器期の石斧について、視力を高めたい。
山極海嗣は、「サイズ・平面形・刃部形態のバリエーションで見ると、下田原期-無土器期では明確な変化を読み取ることはできない」(「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 : 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」)としているが、ぼくたちは前者はトカゲ、後者は蟹と見なしているのだから、ここにはぜひとも差異が見出されなければならない。
無土器期には、片刃のものが現れ、下田原期の両刀様のものとは異なっている。トカゲがなぜ、両刀様なのかは分からないが、ここに差異がある。
この図の下段左端の「短冊形」は、「撥形」とともに、前に「ベニシオマネキ」と見なしたものに当たっていると思える。右端の「狭刀形」は、「ミナミオカガニ」と見なしたものだ(参照:「無土器期の石斧と蟹」)。石斧の分類の考え方は、まだ流動的なようだ。
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