無文尖底系土器とカニ・トーテムの変遷
無文尖底土器とカニ・トーテムの変遷
仲原式土器
・ミニチュア土器
・胴が張り出し、口縁がゆるやかに外反
・ナデ主体
・丘陵台地遺跡出土主体
ミナミオカガニ
これは、立地がもっとも雄弁かもしれない。他土器に比べたときの曲線も似ている。
阿波連浦下層式土器
・「く」字状に屈曲した口頚部
・外面に光沢を有するほど丁寧に研磨する例
・屈曲部に外耳貼付や突帯文
カクレイワガニ
もっともゆるやかな曲線を描くところが似ている。腹節に光沢があるかはわからない。
浜屋原式土器
・外面は平滑
・混和材に鉱物質微砂粒
・最大径位置が異なることによる器形プロポーションのバリエーション
ハマガニ
丸みを帯びた腹節。混和材に「砂粒」というのも、浜辺を想起させる。器形のバリエーションは、ハマガニの種類の多さに対応すると仮説してみる。
大当原式土器
・粘土接合部が隆帯状に残る
・内外面に指頭痕が顕著で凹凸が目立つ
・最大径位置で器形プロポーションの多様化
オウギガニ
・粘土接合部の隆帯状は、腹節の明快さに対応するだろう。
この土器の変遷は、必然的にカニ・トーテムの変遷に対応する。ぼくたちは、これが、陸→浜→干瀬という移行を見ることになる。
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