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2017/12/10

前4期土器とカラムシ

 伊藤慎二は、伊波・荻堂式についてこれほど良好な遺構はない伊是名貝塚の土器を調査し、その施文具について書いている。

 1.文様細部に、不規則な歪みや、施文開始・中継・終始部分が極端に緩やかなものがめだつ。施文手法や器面の柔軟さよりも、施文具の素材自体がかなり柔軟性を備えていたためと推測できる。

 2.施文具先端細部の痕跡は、施文具先端の作出が比較的粗雑なためか、ささくれだった圧痕を残すものがしばしば見られた。逆に、鋭角的な面と線で構成された圧痕をとどめる文様施文例はあまり多くない。

 こうして施文具が推理される。

細部をきれいに切り揃えにくい特徴をもったかなり柔軟な素材、おそらく荒く強い繊維を帯びた植物質素材利用の施文具が、大部分を占めるのではないかと考えられる。

 一度やってみたいが、この施文具は苧麻(カラムシ)の茎ではないだろうか。

 伊藤が点刻線系と名づけた土器の文様は、「横線文」と「鋸歯文」を持つものが多い。「宮古上布・琉球染織」で、苧麻の葉を見ると、その様相も推察できる。

 


『琉球縄文文化の基礎的研究 (未完成考古学叢書 (2))』

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