「前4期における奄美諸島の土器様相」(新里亮人)
新里は、奄美の前4期土器について、第1文様帯と第2文様帯に分けて、その変遷を整理している。
1.第1文様帯施文土器の使用
2.第1文様帯刺突文区画土器の出現
3.第1文様帯沈線文区画土器の出現
4.第1、第2文様帯施文土器の出現
この型式変化は、「施文原理の多様化」が指標になるのではないか、と新里は書いている。
これを島人の思考からみれば、こうなる。
第1文様帯は、シャコガイ科の外套膜に当たっている。隆帯文系の土器から継承されたものだし、これが貝ということは当然のこと忘れられていない。
第1文様帯の刺突は、シャコガイ科シラナミの「ふちどり斑紋」あるいは「黒点列」ではないだろうか。そしてそれは、沈線文に代わり、第2文様帯にもその表現が及ぶ。
これは、麻の編み目の表現が増していく過程と考えることができる。
『琉球列島先史・原史時代における環境と文化の変遷に関する実証的研究研究論文集 第1集 琉球列島の土器・石器・貝製品・骨製品文化』
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