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2017/12/14

無文尖底土系器と蟹 2

 下から二番目のシルエットで表されている貝塚時代後1期の「無文尖底土器」について。

Photo_2
伊藤慎二『琉球縄文文化の基礎的研究』

 この土器が表現しているのは、カニの「腹節」だ。しかも、メスの。メスのカニの腹をみれば、そこに無文尖底系f時と瓜二つのものが見えるではないか。

Photo_3
「カニのオスとメスは、どうやって見分けるの」

 島人はオスメスを生物的に判断したというよりは、卵を抱えたメスに貝に重なる、生み出す母胎を見たのだと思う。カニを持ち上げてみたとき、土器の形とうり二つものを見つけた。もともと土器は、土器という概念ではなく、精霊像を意味しているから、そこに土器に表現すべきものを見出したのだと思う。

 この理解が先にあって、あるいは、サンゴ礁のカタチも重ねてみることもしたのかもしれない。(参照:「無文尖底系土器と蟹」


 

伊藤慎二『琉球縄文文化の基礎的研究 (未完成考古学叢書 (2))』

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