肥厚口縁系土器と干瀬
前5期の肥厚口縁系土器は、干瀬と陸側の岩場である辺端(へた)を強調したものに見える。
あの世から、つまり土器の底から、この世への贈り物は、大潮の干瀬と辺端にもっとも表現される。それを口縁部を肥厚させるとで表現したのが、肥厚口縁系土器ではないだろうか。
犬田布Ⅱ類の一群と考えられる「方形肥厚口縁土器」は、「茶褐色を呈し、焼成は良好で、胎土にサンゴ砂・花崗岩を含む」とされている(森田大樹「奄美諸島における前5期の土器について」)。これなど、素材からしてサンゴ礁なのだ。
『琉球列島先史・原史時代における環境と文化の変遷に関する実証的研究研究論文集 第1集 琉球列島の土器・石器・貝製品・骨製品文化』
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント