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2017/10/20

「縄文文化の南の境界」(伊藤慎二)

 伊藤慎二は「琉球縄文文化」の領域を書いている。(『東アジア世界における日本基層文化の考古学的解明 : 國學院大學21世紀COEプログラム国際シンポジウム予稿集』 2006.9)。

 沖縄諸島を中心とする中核領域A
 奄美諸島とトカラ諸島を中心とする中核領域B

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 北限はトカラ諸島。「熊毛諸島」は琉球縄文文化と「本土」縄文・弥生文化との遷移領域あるいは「ボカシの地帯」。

 こういう言い方は相対化になる。「奄美」だけがボカシの地帯ではない。それは歴史的なものだ。

 琉球縄文文化の独自性は、「縄文施文」を欠く一方で、「口縁部突起」の出現と消滅は縄文文化の範囲。ただ、出現の時期は遅く、定着も不安定。このことは、「縄文文化とは異質の起源をもつ先史文化がその展開過程で「縄文化」したことに結びつく可能性も考慮できる」。

 南琉球新石器時代前期と後期。

 前期は下田原系土器。4250BP~3290BP
 後期はシャコガイ製貝斧の無土器文化。2200BP~940BP。約1000年の空白期。

 北琉球と南琉球の直接的な相互交渉を示す証拠が乏しい。しかし、盛本勲の挙げた(参照:「南北琉球圏に共通・類似する遺物」(盛本勲))、スイジガイ製利器、二枚貝製漁網錘、螺蓋製敲打器、貝製玉類などからは、「両地域間に一定の文化的接触が潜在した可能性を想定できる」。

 それがあったから、グスク時代に入り、速やかに「文化的一体化が進展したのではないかとも考えられる」と伊藤は指摘している。

 精神的な位相の類似を共有していた、ということだ。


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