「土器製作からみた沖縄先史時代」(比嘉賀盛)
比嘉賀盛は自身の体験を踏まえて土器づくりについて書いている。読んでいて楽しい(「土器製作からみた沖縄先史時代」1998)。
土器には貝殻などの石灰質の粒が混和材になっているものがある。宇佐浜式の頃にも似たような土器がある。でもこれでは簡単にはつくれない。貝殻などの石灰質の混和材 を用いた土器は、焼き方などに相当な工夫をしたと考えられる。
「どうして、混和材に適 していない石灰質の混和材が使われたので しょうか。」
徳之島の手々の砂浜は、戦前までは歩くとキュキュと鳴ったそうです。(中略)純粋な粒のそろった石英砂でないと鳴らないそうです。今は不純物が混ざって鳴らなくなっています。もし、この海浜に古代人がたどり着いて来たならば、一番理想的な混和材だということに気づいたと思います。(中略)南九州あたりから南下 して来た人々は、海岸の砂が良好な混和材 として使える徳之島などを経由して沖縄まで来たと考えられます。
ここでぼくたちは別の対置をしてみる。土器製作には不向きな場合もある貝殻や砂を入れたのは、土器が「貝」であり「サンゴ礁」であることを素材でも表現したのだ。
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