「貝塚時代前4期沖縄諸島の土器様相」(亀島慎吾)
まったくと言っていいほど、用語とイメージが結びつかないひとつが土器なので、亀島慎吾の論考(「貝塚時代前4期沖縄諸島の土器様相」「鹿児島考古」2017.7)を頼りに、画像と対応させてみる。
貝塚時代前4期に位置づけられるのは、仲泊式、面縄東洞式、嘉徳Ⅰ式、嘉徳Ⅱ式、伊波式、荻堂式、大山式、室川式が編年体系に組み込まれる。
1.仲泊式土器
・口縁部は平口縁と波状口縁で肥厚する。胴部が張り、尖底器形。
・文様は口縁部肥厚部と胴上部。口縁部肥厚帯の文様は貝殻文もしくは斜沈線文。胴上部はは斜沈線文。
2.伊波式土器
・口縁部は波状口縁、胴部がわずかに張り、底部の形態は平底。
・口縁部径が胴部径より大きくなる特徴
・口縁部にさまざまな文様
3.荻堂式土器
・口縁部は波状口縁、山形突起の部分に瘤のあるものがある。胴部が張り、底部形態は平底。
・胴部径が口縁部径を上回る傾向。
4.大山式土器
・口縁部は平口縁が主体。胴部がわずかに貼るが、口縁部径と胴部径が同じであることが多い。
・底部形態は平底。
・口縁部に押捺刻文。
5.カヤウチバンタ式土器
6.室川式土器
・2cmの幅広い口縁部、底系3~5cmの平底で明るい色調。
・主体が平底・平口縁の深鉢形、若干の壺形。
亀島は、「伊波式大山式への変遷」は共通理解になっていると指摘している。
貝塚時代前4期は、トーテムと島人の思考からいえば、「貝」トーテムの段階に入る。土器に反映される可能性があるのは、貝と蝶だ。
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