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2017/09/06

『プロカウンセラーの共感の技術』(杉原保史)1

 杉原保史は書いている。誰かに頼りたい欲求を自然なこととして受け入れれば、依存の欲求を真剣に考える道が拓かれる。必要なときに援助を求める行動をとることができれば、頼りたい気持ちは確実に和らぐ。依存の欲求が現実的に満たされるからだ。満たそうと思えばいつでも満たせることが分かれば、欲求は和らぐ。

 「悲しい」という相手に対して、「悲しいんだね」と答える、いわゆる反射。反復だとぼくは捉えてきたが、杉原はそう単純ではないとしている。

 「もう頑張れない」と言っている人への反射。

 「もう頑張れないんだね」
 「限界まで頑張ってきたんだね」

 「一度始めたことは途中でやめちゃいけないんですか?」と言っている人への反射。

 「一度始めたことを途中でやめてもいいのかどうかが疑問なんだね」
 「やめられるものならもうやめてしまいたいという気持ちなんですね」

 杉原は、反射には無限のバリエーションがあるとしている。ぼくの方へ引き寄せれば、反射にも、ポジティブな返し方があるということだ。

 このことは相手に気づきをもたらすという意味でも用いられているように見える。

 交際中の彼に対して、「どうしてあなたはもっと私と一緒にいたいって思わないの?」と責め口調になってしまう女性に対して、「あなたは、彼に『私はあなたともっと一緒にいたいよ』『もっと一緒にいようよ』って言いたいんじゃないかな」、と返す例がそれだ。

 葛藤の両面に触れる際には、「そして」「それと同時に」「その一方で」と接続詞でおだやかにつなぐ。逆説の接続詞にしない。これはよく分かる。

 
『プロカウンセラーの共感の技術』

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