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2017/08/15

「情動のコンテクストを共有する」(『共感と自己愛の心理臨床』)

 間主観的アプローチでもっとも重視されているのは、情動の流れというコンテクスト。クライエントと治療者の相互交流を主にオーガナイズしているのは情動。ここで安村はバースキーを引いている・

二つの主観性は、時として、共通の情緒体験(間情動性)を共有する。それが起こりうるのは、二人のうち一方が相手の情動表出に気づき、続いて、「それ、ぴったり一致している」と相手が認識するような何かをする場合である。それはどう見ても強力なモーメントである。(中略)相手の応答を喚起させた情動の主は、相補的な形で、気が付いてもらえた、理解されたと感じる。これらを合わせた結果が、共有された体験であり、それは、間違いなく、両者の絆の形成に寄与する。

 安村は、深い情動を伴った共有体験は、両者にとって決定的な「出会いのモーメント」(スターン)となって、クライエントの体験様式が変化する強力な治療要因となる、と書いている。

 二人の間で交わされるやりとりそのものが、その都度、二人の心的現実を創造する。この二人の心が生み出す創造的な相互作用の領域を、スターンは「間主観的マトリックス」と呼び、それを「心の起源」と呼んでいる。

 


『共感と自己愛の心理臨床:コフート理論から現代自己心理学まで』

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