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2017/05/26

「おなり神」と「ゑけり神」

 こうしてぼくたちは兄弟姉妹婚のことを考えざるをえないところまできた。伊波普猷は、その痕跡を探しながら書いている。

国頭村安田で、一年おきに替り番に、「おなり神」を拝み、また「ゑけり神」を拝むと称して、部落中の女性または男性を互に拝しあう儀式があるが、これなども多分例の女神と男神とを拝むという形式の変化した、新しい行事に違いない。というのは、南島の俗、「をなりみ神」と「ゑけりみ神」とを代表させるのは、いずれも女性であって、男性ではないからだ。

 ここは伊波の言うのとはちがい、一年おきに「おなり神」と「ゑけり神」を拝みあうのは、母系社会のなかで行われたふるいものだと考えられる。しかも、母系社会の初期ではないだろうか。

 「「をなりみ神」と「ゑけりみ神」とを代表させるのは、いずれも女性であって、男性ではない」のは、たぶんの祝女の登場を重なっている。男性は実際の女性姉妹である「をなりみ神」を尊んだのに対して、女性は共同幻想を対の対象として選択したということだ。
 

『古琉球』

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