刺青にみるトーテムと霊魂のアマルガム(徳之島と宮古島)
徳之島の左右の尺骨頭部の文様は、「貝」と「蝶」なのだが、その特徴は「貝」の変形として「蝶」が構成されていたことだ。これは「貝と蝶」の型のなかでは、他島では見られない。しかし、この変形は、変容(メタモルフォース)というより、分解再構成で、霊魂思考的である。
一方、左の尺骨頭部にみられる文様には、四つの花びらを想起させるものもある。これは、「蝶」の部品から「貝」が構成されたものだと見なせる。このことは、他の部位にも見出され、指の背は、「蝶」を部品に「蛇」が構成されていると見なせる。徳之島の左手尺骨頭部の四つ葉型と指の背は、いずれも「蝶」アマルガム型なのだ。
このことが意味するのは、霊魂発生の初期において、霊力と霊魂が明瞭には分離していなかったことを意味する。時間の観念でいえば、霊魂が一方向に進むものとしてまだ独立していなかった。それが、「蝶部品による貝」、「蝶部品による蛇」デザインが構成された理由になる。
同様のことは、宮古島についても言える。ただし、ベクトルを逆にして。宮古島の場合、「貝」から「苧麻」が構成されるが、左手では「貝」が描かれているのに対して、右手では「貝」を地にして「苧麻」という図を浮かび上がらせている。そう見なせる。
徳之島
・「貝」の分解再構成よる「蝶」構成
・「蝶」部品による「貝」構成
宮古島
・「貝」の変容による「苧麻」構成
この場合、霊力ー霊魂は、徳之島では「貝・蝶」アマルガムなのに対して、宮古島では「貝・苧麻」アマルガムである。しかし、そのアマルガムは前者が再構成にであるのに対して、後者は融合である。ここに霊魂思考が優位な前者と霊力思考が優位な後者の差異が認められる。
このアマルガムのデザインの痕跡が認められるということは、琉球弧の刺青が「ふたつの霊魂」を表現したということだけではなく、両者が未分離の状態をも保存したことを意味する。つまり、「ふたつの霊魂」の初期形である。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。







































コメント