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2017/05/12

「沖縄の山の神について」(上原孝三) 2

 上原孝三の「山の神」議論について、もう少し考えてみる。

 先史琉球弧の世界の動物の主は次のように考えられる。

 地底、空、山(蛇) テラ山(貝) サンゴ礁(貝) 海(蛇)

 こうだとする。この段階では、シヌグは来訪神ではない。祭儀があったとすれば、スクの精霊を出現させた予祝行為そのものだった。

 ここで改めて、スクたちの性別をあげると、

 キラハニ  女性性(太陽)
 スク    女性性(干瀬の子)
 ウンジャミ 男性性(蛇)

 となる。ここで矛盾が生じる。

 シヌグ(スク) 女性性 男性が担う
 ウンジャミ   男性性 女性が担う

 これを矛盾ではなく受け取ろうとすれば、これは一種の異性装でもあったのではないだろうか。

 サンゴ礁の神話時間のなかで、世界は性を受け取る。この段階では、死者を食べる儀礼も行われていた。他者との同一化である。そして、男性と女性は明確に分離されておらず、性はグラデーションだ。そのグラデーションを踏まえつつ、性の全体性を表現する方法として、女性性の神を男性が担い、男性性の神を女性が担うようになった。

 上原は「山の神は女性に特定されないことが沖縄の「山の神」の特徴といるのではないか」と書いていた。ことは、「山の神」の性が問題なのではなく、異性装による見かけがそう思わせるということではないだろうか。

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