サンゴ礁の神話モデル
貝と胞衣について、ぼくたちには何に感銘を受けていると言えばいいだろう。
島人が、サンゴ礁を「貝」と見なしたとき、シャコ貝と同じものをそこに見たはずだ。しかし、「サンゴ礁は貝」と言えば、ぼくたちにはそれはメタファーに聞こえる。また、礁池は胞衣、しかも動植物がメタモルフォースを行う不思議な胞衣空間と見なした。それもぼくたちにはメタファーに聞こえる。
こうしたメタファーに見える関係を、島人はメタモルフォースによって神話的な世界をつくっている。それが感銘の由来のひとつの理由になる。
もうひとつ感銘を受けることがあるとすれば、このサンゴ礁の思考は、ひょっとしたら、現在の科学的思考が捉えるサンゴ礁理解よりも深いのではないかと思わせることもあるだろう。
さらに言えば、このサンゴ礁空間は、ひとつの自然モデルとして、他の、たとえば都市空間などの構想に生かせるのではないかと思えること。それも、感銘をもたらす一端になっている。
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