二様のメタモルフォーゼ
いま、ぼくたちは二様のメタモルフォーゼを考えていることになる。(参照:「「カーラヌ バタサヌ アブダーマ ユングトゥ」(西表島)」、「キシノウエトカゲとジュゴン」)
1のメタモルフォーゼは、形態や色合いや動作の類似から考えられたもの。その思考に添って、「カタカス」という言葉も、「バカギサ」から生まれた。
2のメタモルフォーゼは、「ザン」が「バカギサ」の言葉の変態でありうるという言語の類似(一致)から考えられた。「ザン」は、「バカギサ」という言葉から生まれたわけではないが、できていた言葉は、バカギサからも辿れることから、メタモルフォーゼが思考された。
2もありえたと考えられるためには、やはり動植物の変態と言葉の変態とが、等価と見なされる必要がある。言葉は霊力の表現の大事なひとつに他ならなかった。
ぼくは少し胸躍るのを抑えられない。動植物間のメタモルフォーゼについて、伝承や古謡に依るしかないことに心もとなさを覚えていた。しかし、言葉も変態するのであれば、呼称から動植物のメタモルフォーゼにアクセスできる可能性を手にすることができるのだ。もちろん、形態や生態の類似を大事にして。
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