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2017/03/07

「北米先住民のコスモビジョン」(後藤明)

 後藤明は、北米の民族誌を参照し、次のように整理している(「北米先住民のコスモビジョン」(『南山考人』44、2013)。

 春分、夏至、秋分、冬至について、北米の先住民では、圧倒的に関心は「至点」に向いていて、「分点」は必ずしも意識されていない。少なくとも、「至点」と「分点」は等価ではない。

 狩猟採集民や遊牧民は「星」を重視する(ナバホ、アパッチ、ボーニー、ダ(ラ)コタ、クロウなど)。定着的な農耕民は「太陽」を重視する(プエブロ、ホビ、ズニ)。

 当てはまらないのは狩猟採集民でありながら「太陽」を重視するカリフォルニア諸集団。

ただし彼らは狩猟採集民であるが、豊かな狩猟採集民といわれ、比較的コンパクトな領域の中で植物や魚類(サケ類)を採って安定した暮らしをしていたことが知られている。

 農耕以前に「太陽」を重視していたと考えられる琉球弧も、このカリフォルニア諸集団と似ているのかもしれない。

 ズニ族は、冬至が一年の始まりを意味し、それから6つの月を数える。そして夏至の後に続く月の名称も同じ。象徴的に一年の間に季節が二回、繰り返される。もちろん、冬至後と夏至後は対照的な季節だと知っていて、それぞれに伴う儀礼や踊りも対照的なものが行なわれる。これは、琉球弧の場合を考えるうえでの参照先として備忘しておく。

 

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