牛と他界
来間島の島建てには、牛が出てくる。
来間豊年祭を毎年やっていたが、止めたとこと、オガビシという干瀬のある東の埼から恐ろしげな大きな赤牛の牝牛が飛ぶようにやってきて、来間の人間をば、全部ひっかけて、ナガピシへ連れて行って一人もいなくなってしまったということであった。
牛は他界からやってきた動物として認識されている。この牛が、牝で赤というところには、女色の記憶が継承されている。また、干瀬が他界の入り口であることも分かる。この伝承では、赤は既に死と関連づけられているが、他界は遠隔化されていない。
奄美大島蘇刈の伝承でも、牛は人を他界へ導いていた。
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コメント
沖縄島では牛は「モーモー」と呼びますが、これは同時にスイジ貝でもありますね。
北部の一部ではこの貝は「ベーベー(山羊)」で、ようするに角が2つに足4つ。。。海底のスイジ貝も "角" を前方にして歩きます。
奄美大島古仁屋あたりで伝承されてきた怪牛「ナマトノガナシ」は、角8本に足16本ですから、スイジ貝4体分かもしれません?
投稿: 琉球松 | 2017/02/25 13:42
琉球松さん
モ-モーのこと、名護さんもご著書に書かれていましたね。そうか、貝とのつながりがあったから、牛の神聖さもより増したんですね。
ありがとうございます。
投稿: 喜山 | 2017/02/27 08:03